弊社が管理受託しております三幸産業グループビルでは、年2回各ビルの自衛消防訓練を実施しております。
2022年11月17日、練馬区石神井消防署のご協力をいただき「煙体験ハウス」による訓練を実施いたしました。このように規模の大きな設備を貸出していただく機会はなかなかありませんので、近隣ビルのオーナー様、テナント様にも参加のお声がけをしての実施となりました。
「火災で恐ろしいのは 炎よりも煙である」と言われます。
左写真:住宅地で発生した火災。周囲を薄暗くするほどの猛煙が発生している (出典:写真AC)
右イラスト:煙の拡散速度と人の移動速度の比較イメージ
その危険性は様々な要素が絡んでいます。強い毒性、ふれるだけで火傷を負うほどの熱、視界の遮断による方向の喪失など。中でも上昇速度は警戒するべき性質です。
例えば、5階建ビルにおいて、人が屋上へ避難しようとしても約40秒かかるとされますが(国土交通省資料に基づいて算出)、煙はわずが3.6~6秒程度で屋上へ達してしまいます。
そうした煙の中でも冷静に安全に避難することが大切です。
火災での煙の危険性についてまとめた記事はこちら
世に火災の煙被害による事例、危険性や恐ろしさを訴える情報は枚挙の暇がないほどです。そのような体験をする事態などあってはならないことですが、事故・災害はいつどのように起きるかわかりません。不測の事態に対応できるようになるためには、ウイルスに対するワクチン投与のように緩めた実体験、つまり訓練を重ねることが大切なのです。
今回、石神井消防署より貸出していただいたのは、幅2m・高さ2m・奥行4mほどのテント内にドライスモーク(安全性の高い擬似煙)を充填し、煙に阻まれた状況を再現する設備です。
立ち込めるスモークの中を通り抜けることで、煙層と空気層に分かれる性質や視界の悪さなどの体感し、その状況から安全な場所までの避難はどのようにするのかを訓練します。
ドライスモークで真っ白のテント内を、身体を屈めて進みます。中にはテントと同じポリエステル素材の幕で仕切りがあり、煙で視界が悪くなっている状況でこれを避けながら出口に向かうというものです。
三幸産業グループによる「煙体験ハウス」訓練実施は、2022年11月17日(木)に行いました。
煙体験後の質疑応答では、多くの参加者様が石神井消防署員の方へ質問をされる場面があり、皆様方の防災への関心の高さがうかがえました。
今回の煙体験ハウスに参加していただいた皆様から感想をいただきました。
消防訓練実施の間、入居テナントの皆様やビルご利用のお客様、近隣の皆様方には、ご理解・ご協力をいただき誠にありがとうございました。特に近隣ビルのオーナー様・テナント従業員の皆様方には、お忙しい中を訓練参加していただき、御礼申し上げます。
最後になりましたが、石神井消防署の消防士様方、日々の防災活動でお忙しい中での設備・資材の貸し出し、防災のレクチャー等、誠にありがとうございました。ご教示いただいた知識と体験をもって防災の一助となれるよう、弊社社員一同心掛けてまいります。
弊社では、テナント様・ビルご来館者様が安全・安心にご利用していただけるよう、日々の点検巡回により消防設備・防災設備のチェックを行っています。さらに、こうした訓練実施の機会に際して、基本的な消火・避難・通報訓練に加え、日常では取り扱うことのない避難器具・消防設備をテナント従業員の参加者様に体験していただくなど、より実践的な訓練を実施しております
今後もビルごとに様々な状況を想定し、参加者様の防災への興味と意識が高まるような、防火消防の知識・設備のレクチャーの他に応急手当や通報の疑似体験といった実践的な訓練も計画しております。より安心・安全な環境作りの一助となりますよう努めてまいりますので、多くの方にご参加いただければと思います。
弊社では防火対象物定期点検・防火設備定期検査・消防設備定期点検に関するご相談を承っております。お気軽にお問い合わせ下さい。