弊社が管理受託しております三幸産業グループビルでは、年2回各ビルごとの自衛消防訓練を実施しております。
例えば、飲食店が入っているビルのように毎日様々なお客様がご利用になる建物には、年2回以上の消防訓練が義務付けられております。
弊社では、テナント様・ビルご来館者様が安全・安心にご利用していただけるよう、日々の点検巡回により消防設備・防災設備のチェックを行っています。さらに、こうした訓練実施の機会に際して、基本的な消火・避難・通報訓練に加え、日常では取り扱うことのない避難器具・消防設備をテナント従業員の参加者様に体験していただくなど、より実践的な訓練を実施しております。
※写真は2022年上半期の様子です
緩降機 (かんこうき)とは、避難はしごや救助袋と同じく火災時に高所から避難脱出するための避難器具のひとつで、多くはベランダ・廊下や部屋の窓際などにキャビネット(箱)に収納、またはカバーがかけられて設置されています。そういえば見かけたことがあるな、という方は多いのではないでしょうか。
緩降機には、支柱を床に設置した「床面取付型」と屋外壁面に設置した「壁面取付型」、そして本体機材が常にセットされた状態の「固定式」、使用時に機材をセットする「可搬式」があります。
以下の使用説明に撮影したタイプは「床面取付型 固定式」です。
箱(カバー)を外し(①)支柱を引き上げ(②)アームを開いて外に押し出します(③~⑤)。
(可搬式の場合、この時アームに「調速機」をセットします。)
調速機から伸びるロープの両端には装着具があります。装着具の片方はリールに巻き込んであります。
窓の外にリールを投下します(⑥)。この時必ず、地上に人がいないことなど、安全を確認してから落とします。
装着具を弛みがないように着用し(⑦)体を壁面に向けながら降下します(⑧)。
装着具の片方を使用して降下すると、反対側の装着具(リール)が上がって次の人が降下できるようになります。調速機の中をロープが通過することで、降下速度が自動的に調整されるようになっています。そのため体重の軽量を問わず安全に降下できる避難器具です。
今回は降下実演を弊社社員が行い、テナント従業員参加者様には緩降機の取り扱い説明の後、実際に器具の組み上げ・設置までを体験していただきました。
緩降機での降下を実際に体験した弊社社員からの感想です。
緊急時の際に冷静に対処できるよう器具の安全性と使用手順を知っていただくことは、自分を含め周囲の人命を助けることに繋がります。普段の生活では触れることのない設備ですので、ぜひこのような訓練の機会を利用し、参加体験してみてください。
建物が変われば建築物の構造や用途も異なり、消防設備も違ってきます。職場や学校など、各人が毎日を過ごす場所での設備の種類・配置場所・取り扱いを知っていただくことで、災害への対応力を高めることが狙いです。
各ビルの設備に応じて、使用方法・注意点の説明や実演、または設備を実際に使用して避難するなどの訓練を行いました。
避難訓練は、災害から身を守り安全な場所へと避難する訓練です。人命を最優先に守る上で基本的かつ重要な訓練と言えるでしょう。どのような手順でほかのスタッフやお客様にそれを知らせるのか、通報や消火対応はどのように行うのか、避難経路や誘導はどのようになっているかなど、定期的に訓練を重ねることで、いざという時もパニックにならず対応できるようになることが目的です。
消防訓練実施の間、入居テナントの皆様やビルご利用のお客様、近隣の皆様方には、ご理解・ご協力をいただき誠にありがとうございました。お忙しい中を訓練参加していただきましたテナント従業員の皆様方には、御礼申し上げます。
今後もビルごとに様々な状況を想定し、参加者様の防災への興味と意識が高まるような、防火消防の知識・設備のレクチャーの他に応急手当や通報の疑似体験といった実践的な訓練も計画しております。より安心・安全な環境作りの一助となりますよう努めてまいりますので、多くの方にご参加いただければと思います。
何卒よろしくしくお願い申し上げます。
弊社では防火対象物定期点検・防火設備定期検査・消防設備定期点検に関するご相談を承っております。お気軽にお問い合わせ下さい。